※この記事にはPRが含まれています。
「タイで起業するなら、100万円台でできる」。移住を検討し始めた頃、そんな話を聞いたことがありました。
2025年8月にバンコクへ行ったとき、現地に住んでいる友人と会って、仕事の話も少しだけしました。「タイはやっぱり日本人でも起業しやすいよ」と言っていたけど、具体的にいくらかかるのかは、正直よくわかっていなかった。
帰国してから本気で調べてみたら、想像より複雑で、知らないと危ない落とし穴もいくつかありました。この記事では、調べてわかったことをそのまままとめます。
🏢 タイで起業するには「外資規制」を知ることが最初の壁
タイには外国人事業法(FBA)という法律があり、外国人(日本人を含む)が会社の株式を51%以上持つ場合、最低資本金が200万バーツ(約780万円)必要になります。
この条件を満たせない場合、会社は設立できません。「タイで気軽に起業できる」というイメージとは、だいぶ違います。
ただし、抜け道が1つあります。それがタイ人パートナーと組むという方法です。
💡 タイ人が51%以上の株主になれば、資本金の制限がなくなる
タイ人が株式の51%以上を保有する「内資企業」として設立すれば、最低資本金の法的制限がなくなります。私の場合、現地に住んでいる信頼できるタイ人の友人が協力してくれる予定なので、この形での起業を想定しています。
この場合の現実的な費用がこちらです。
タイ人パートナーと組む場合の初期費用(目安)
| 費用項目 | 金額(バーツ) | 円換算目安 |
|---|---|---|
| 会社設立費用(政府手数料・代行費込み) | 約74,000バーツ | 約29万円 |
| ビザ・労働許可証(初年度) | 約47,000バーツ | 約18万円 |
| バーチャルオフィス(1年分) | 約24,000バーツ | 約9万円 |
| 銀行口座開設(代行利用) | 約8,700バーツ | 約3万円 |
| 会計・税務申告(1年分) | 約24,000〜60,000バーツ | 約9〜23万円 |
| 予備費 | ― | 約10〜20万円 |
| 合計目安 | ― | 約78〜102万円 |
※1バーツ≒3.9円で換算。2025年時点の情報です。
「100万円台で動ける」という話は、タイ人パートナーと組むことが前提の数字でした。単独で外資企業として設立しようとすると、資本金だけで780万円以上必要になります。
📋 費用の内訳を詳しく解説
①会社設立費用(約29万円)
商務省(DBD)への登記料・定款登記料・VAT登録・社会保険加入登録などの政府手数料に加え、現地の代行業者への依頼費用を含みます。日本の会計事務所を経由すると代行料だけで39万円前後かかることもあるため、現地の事務所に直接依頼する方がコストを抑えられます。
②ビザ・労働許可証(初年度約18万円)
タイで働くにはノンイミグラントBビザと労働許可証(ワークパーミット)の両方が必要です。ビザの取得・更新は毎年必要で、2年目以降も年間約7〜8万円のコストがかかります。
また、労働許可証を取得するにはタイ人従業員を4名以上雇用することが条件の一つです。小規模で始めたい場合、この要件がハードルになることがあります(要件の詳細は業種・状況によって異なります)。
③バーチャルオフィス(年間約9万円)
実際の店舗を持たずにスタートする場合、バーチャルオフィス(住所だけ借りる形)が使えます。月2,000バーツ(約7,800円)程度から契約できます。
④銀行口座開設(約3万円)
2025年現在、外国人がタイで銀行口座を開くハードルが上がっています。Bビザ保有・滞在期限30日以上・在タイ電話番号などの条件があり、代行業者を利用する場合は8,700バーツ程度かかります。ルールが頻繁に変わるため、最新情報を銀行に直接確認することを強くおすすめします。
⑤会計・税務申告(年間約9〜23万円)
タイでは毎月の会計処理と年次の税務申告が必要です。現地の会計事務所に依頼することになります。金額は事業規模や依頼先によって異なります。
⚠️ 知らないと危ない「名義貸し」のリスク
タイ人パートナーに51%の株式を持たせる形は便利ですが、名義貸し(ノミニー)と判断されるリスクがあります。
実質的な出資・経営・利益の享受がすべて外国人側にある場合、タイ当局はそれを脱法行為と見なす可能性があります。取り締まりは年々強化されており、書類上の形式だけ整えても安心はできません。
対策として重要なこと:
- 信頼できるタイ人パートナーを選ぶ(単なる知り合いではなく、ビジネス上の信頼関係があること)
- 株主間契約書・経営権・配当について明確に文書化する
- 現地の弁護士を通じた契約書作成を行う
- 実態のある役割分担を作る(タイ人パートナーも実際に経営に関わる形が理想)
私自身もここが一番慎重に考えるべきポイントだと思っています。友人だからこそ、お互いの役割と権利を最初にきちんと決めておくことが、関係を守ることにもつながると思っています。
💰 年間のランニングコスト(バーチャルオフィス・従業員なしの場合)
| 費用項目 | 年間費用(目安) |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 約9万円 |
| ビザ・労働許可更新 | 約8万円 |
| 会計・税務申告 | 約9〜23万円 |
| 合計 | 約26〜40万円/年 |
生活費は別途かかりますが、事業の維持コストだけで見ると年間26〜40万円というのは、日本で会社を維持するよりかなり抑えられます。
🏙️ ドバイと比べるとどのくらい違う?
ドバイで起業する場合、ビジネスライセンスだけで百何十万円かかり、初期費用の合計は300〜400万円以上が現実的な目安です。タイと比べると、初期投資の壁がかなり高い。
一方、ドバイは法人税がゼロ(一定規模以上を除く)・英語が使える・世界中のビジネスパーソンが集まるという収益面での強みがあります。
どちらが正解かは事業の内容と規模によりますが、「まず小さく動いてみる」ならタイ、「最初から収益環境を整えたい」ならドバイ、という選び方が現実的だと感じています。
📚 あわせて読みたい
✨ まとめ
- タイで日本人単独で起業すると、最低資本金だけで約780万円必要
- タイ人が51%以上の株主になる「内資企業」として設立すれば、初期費用は78〜102万円程度に抑えられる
- 名義貸し(ノミニー)と判断されないよう、契約書の整備と実態のある経営が必要
- 年間ランニングコストは26〜40万円程度(従業員なし・バーチャルオフィスの場合)
- 「100万円台で起業できる」は信頼できるタイ人パートナーがいることが前提
私自身もまだ実際に起業したわけではなく、移住に向けて本気で調べている途中です。情報は2025年時点のものであり、法律や制度は変わることがあるため、実際に動く前には現地の弁護士・会計士への相談を強くおすすめします。
タイへの渡航を検討している方は、まずは現地を見に行くことが一番の近道だと思います。
📚 あわせて読みたい
